飼い主は見た

9月5日月曜日　

朝4時　カブ避難桶で寝ている。

亀の部屋では、パーサックだけ前桶にいる。マイッタさん4時にすでに陸地のどこかへ行ってしまった。

朝6時　カブの水が汚れているようなので交換。ウンが夜中に出たらしい。

朝8時　カブ、ウンが出ているので水交換、二桶に連れていってやる。すぐに出てしまい窓辺へ。

窓辺を改造してふた方向からひなたぼっこを出来るようにしてやる。マイッタやってくる。新しいシステムが気になるらしいが、落ち着かない。あちこち確かめて回る。

亀はどうも家財道具の位置変更が苦手のようだ。考えたら自然界で木が伸びることはあってもゆっくりだし、突然景色が変わるということは理解しがたいことであって不思議はない。


中略

夜8時半　マイッタがいる水辺のほとりを見に行く。そろそろ水に入る時間だと意識しているようだ。一桶二桶と渡りがめになる。渡りを重ねて二桶に落ち着いている。この間にウン少々。水替え忙しい。

夜10時50分　前桶パーサック、二桶マイッタ。

そろそろカブを捕獲する時間なのだが、二桶からどく気は一切ないという強い意志をマイッタが全身で発している。

飼い主をうろたえさすに充分な気合いが入っている。

「どかない」

空気が意志を発している。

夜11時30分　カブを捕獲、二桶に入れるとマイッタ襲来。石の上から顔をおりまげて二桶のカブをのぞく。（まるで進撃の巨人が家のなかをのぞく時のよう）

いそいで桶から出るカブが、脱出にとまどっているうちに、マイッタが二桶に入り、カブの右後ろ脚をがぶり。まるでサメだ。思わず声が出る。「こら！だめでしょ」全然きかない。

まるでさめのように、足先から足首までぱくりとかじられてしまった。出血するような怪我はないようだ。

マイッタを高く持ち上げて一桶に戻す（一応飼い主の威厳を発揮）

カブを持ち上げて台所の床の水場に入れてやる。

無抵抗だった。おそろしかったのだろう、戦う気力は出ないようだ。カブそうそうに避難所で寝た。

深夜0時19分　マイッタ二桶にいるのを確認。ついつい睨んでしまう。しかし目を合わさない。まったくいうことを聞く気なし。今日は健康の為にマイにごはんをやってない。昨日もお肉は食べていないから不機嫌なのだろう。だがさっきもかるばく（少な目のウン）が出たし、今日は干す。

しかし、あの足齧りは初犯ではないだろう。
マイッタのギャル曽根なみの大きな口に飲み込まれてしまっては恐れをなすのも十分わかる。おそろしや鮫島まい。

自然に摂理にのっとれば鮫島さんが悪いわけではない。しかし三名に同じように幸せになってほしいという願い(幻想）と各亀を保護する飼い主の役目がある。対策を考えねば。
場合によっては大規模な水場の改革工事が必要だ。

マイッタが水場を制してしまったことはもはや間違いないようだ。

9月4日はカブにとっての敗戦の日。マイッタにとっての終戦の日。昨日の敗戦に続き今日も敗戦。明日戦っても勝ち目がありそうには思えない。片目が回復しても、あの大きなくちばしにはかなわない。カルシウムの質が違うのだ（遺伝子）

偏食が治ったから、少しづつカルシウムをたくましくして、カブも強いくちばしを作れたら、せめて互角に戻れるだろうか。

カブが天下だった日々は長かったのだが・・・・・・參太天下到来か。　　


栄枯盛衰　諸行無常　エアコンの風が秋風のようだ。涼しいのにさみしい。


マイッタの気持ちも考えてやらないといけない。カブの身にしかなっていない。

そうだ、ワルカブでマイッタを水桶から追い出していた過去があった。喧嘩がとまらず歌を歌ったら、うさぎのダンスがこわくて逃げだしたなんてこともあったのだ。

喧嘩の仕方はすべてカブが教えていたようなものなのだ。

でも、猛々しかったカブが追われてしまった現実が重い。

カブが弱ってしまったのがマイッタ達にばれてしまっているのだ。
その隙に二桶をわが物にせんというのが自然の摂理なんだ。

私が甘い夢を見ているだけなんだ。

夜1時10分　カブの桶にウンを発見。よっつもある。固まっていていい感じだ。サブ桶に水を入れてさっと桶交換。寝る前に発見、水交換出来てよかった。